フィットするブーツ

年代を隔ててフォーミングブーツを二つ作りましたし、サーモの焼き直しをお願いした事が有ります。機会在る毎に氏の仕事を見学・観察させて頂く

 


フィッティング作業におけるコツは、実に様々な事が在ると解ります。(詳細は企業秘密でしょうから省きます)
フォーミングの映像が Youtube に上がっていて、ブー研と他店が比較出来ますが、あんな小さな画面でさえ、異なるやり方が何点か確認出来ますので、興味が有る方は比較してみて下さい。


欧米だと、ブーツを買ったら、インナーに小さな切れ込みを入れて部分的なアンコ抜きを行って個人個人にフィットさせるサービスが、日本では考えられない位に一般的だと聞いた事が有ります。流動性の粘液入りだと同じ様には出来ませんが。
「ブーツを買ったらチューンをするのが当たり前」という認識を広める入門的手段として「やらないんですか」と尋ねた所、「それをやりたく無いからココやってるんだヨ」と聞きました。

 

つまり、日頃から常に絶える事無く、お客さんにとって何が一番良いのか考え続けている事が、妙に凝り過ぎたアイテム・手段や、コストパフォーマンスが良く無い策を採用しない、現在のやり方に繋がっているのではないかと想像しています。

 


足裏の記録・測定装置として、コピー機を使ってしまったアイディアも秀逸ならば(登場時期を考えて下さい)、雪上に近い形でカントの測定が出来る CJS も、実に簡便な機構なのに、核心を突いているナと思うのでした。

 

乗るだけで滑りのレベルが結構判ってしまう所ですね。私が最初に乗った時は、そりゃ酷いモンでした。

 


個人個人に合わせる作業、それもギブスの様なブーツですから、一言でイタイと言っても、実態は千差万別だと思います。

人間の体と言う物は、何時も一緒(同じ)ではありません。朝と夕方でも変わります。だから、今年は良くても、来年はどうだか判らないのではないでしょうか?
以前仕事仲間に成った中に、60才位でゴルフのハンディ3に成られた方が居ました。興味が湧いたので「やっぱりクラブもチューンするんでしょうか?」と訪ねた所、「シャフトを一番スティフにするだけですね」と教えて下さいました。

 


曰く、コースはパーで回って来られる様に設計されてるんだから、無闇に飛ばす必要は無い。寧ろ、人間なんて何時も同じじゃ無いのだから、、、でした。
つまり、シャフトのしなりを活かせば飛距離はかなり稼げるが、人間が振り回す以上、常に同じ条件に揃えられるとは限らない。体からして然り。
そうすると、シャフトのしなりを一定に揃えられない以上、飛ぶ先はボールに聞いてくれ状態では、スコア向上も覚束ない・・・でしょうか。(笑)

 

これが、足に密着して骨格を支えようっていうブーツに成ったらもっと・・・。
と言う事なので、チューンは繰り返し繰り返し行う物であって、一発で合って、以後ずっとそのまま合った状態が続く、と言う物では無いと思っています。
幾度も様々な症状を伝えて改修をして貰う。その策は、時に無造作に感じられます。そこら辺に転がってるパッドを無造作に切り出して貼って、「これでやってみて下さい」とか。

 


この、有り難味に欠ける手法は対価を払う客にとっては大問題です(苦笑)が、じゃ、チューンの中身はどうかと考えると、説明を聞く程に「成る程ナァ〜」と頷ける物ばかりなのです。
顔馴染みに成って長いですから、その無造作加減は激しい方だと思いますが、何度も何度も無料で対応して頂ける